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動かない空き地のベンチ そのベンチは、空き地の砂地の上に張り付いたように全く動かなくなってしまった。 青いキャップのツバを後ろに回して被ったサトシは、ベンチの足を持ち上げ必死に動かそうとするが厳然と佇んだまま。ピクリともしない。 ベンチはある夜、空き地近くの自販機で買った缶ジュース片手にそれでもどうにかして動かそうと頑張るサトシにこうつぶやいた・・・。 「俺はもう疲れたんだ・・・・・・」 一瞬どこから聞こえてきたのか分からずキョロキョロと辺りを見渡すが・・・どうやらそのベンチの声だと気づく。 見上げると空は今夜も変わらず無数の星屑が散らばっている。 小説。 約500字。 6ページ。
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