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セックスは義務、会話もない。冷え切った夫婦がある日突然、カラダが入れ替わった!? 夫の身体で知る、抗いがたい衝動。妻の身体で知る、とろけるような快感。 鏡に映るのは、愛する人の顔をした、自分自身。 未知なる身体の秘密を互いに教え合う、奇妙でエロティックな「共同研究」が始まった。 これは、ただの入れ替わり物語ではない。セックスレスの先で、本当の愛と快感を見つけ出す、夫婦の再生の物語。 総字数 約10,000字(読了時間 約20分) ※パッケージ画像のみAIを使用しています。 〈本文より抜粋〉 「な……ななな……なんだこれぇぇぇえええええ!?」 喉からほとばしった絶叫は、しかし、いつもの野太い声ではなく、澄んだソプラノだった 。バランスの悪い覚束ない足取りでベッドから転げ落ち、姿見の前に立つ。そこに映っていたのは、パニックに顔を引きつらせた、紛れもない妻・美咲の姿だった 。 その絶叫で、隣で寝ていた「健太」が飛び起きた 。 「もうっ……朝からどうしたのよぉ……」 低い、聞き慣れた自分の声 。しかし、それを発しているのは自分ではない 。 「ええっ、なにコレ! なにこれぇぇぇぇえええ!」 今度は、健太の肉体から、美咲の魂の叫びが響き渡った 。 〇 健太(in 美咲の体)は、おそるおそる、パジャマのズボンの中に手を入れた。初めて触れる女性器の感触に戸惑いながら、クリトリスと思われる場所をそっと撫でてみる 。 「……っ!?」 瞬間、脳天を貫くような、今まで経験したことのない種類の快感が走った。射精の時のような、一点集中の爆発的なものではない 。まるで、上質な絹で全身を優しく撫でられるような、甘美で、とろけるような感覚。ある一点を超えた瞬間、体の芯からじゅわっと熱が溢れ出すような、深く、長く続くオーガズムの波に飲み込まれた 。 「は……ぁ……、なんだ、これ……」 〇 その日から、二人の夜は「共同研究」の時間へと変わった 。 「いい? わたしの体はね、いきなり攻めちゃダメなの。まずは、うなじから背中にかけて、ゆっくり……こんな風に指を這わせて……」 美咲(in 健太の体)は、まるで自分の体の取扱説明書を読み聞かせるように、健太(in 美咲の体)を導いた 。美咲は、そのたくましい指で、恐る恐る、しかし真剣に自分自身の滑らかな肌をなぞっていく 。 「ああ……そう、そこ……気持ちいい……」 健太がうっとりと声を漏らす。その反応を見て、美咲は自分のことのように嬉しくなった 。
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